【2007年7月6日 アストロアーツ】 昨年11月に小惑星として発見され、その後彗星であることが明らかとなったたリニア彗星(C/2006 VZ13)がいよいよ8等台の明るさとなった。このまま増光が進めば、7月中旬に比較的明るい彗星となることが予測されている。 ------------------------------------------------- リニア彗星(C/2006 VZ13)は、2006年11月にLINEARサーベイが撮影した画像から19等級の小惑星状天体として発見された。しかし同じ年の12月に行われた観測で、天体に光度18.6等、視直径8秒角の集光したコマが見られ、彗星であることが判明した。 最近の眼視観測では、6月上旬には11等級、下旬には9等級で報告されており、7月中旬にはさらに増光して8等まで明るくなると期待されている。 現在、リニア彗星(C/2006 VZ13)はりゅう座にあり、地球から約0.6天文単位まで近づく7月14日には、うしかい座に入る。その頃は月明かりに邪魔されないので、双眼鏡でも観察できるだろう。ただし、8月に入ると急激に南下し、8月中旬には日本の空から去ってしまうので、見逃さないようにしよう。軌道要素や詳しい位置については以下を参照のこと。 ------------------------------------------------- 《C/2006 M4の暫定軌道要素》 リニア彗星(C/2006 VZ13)の軌道要素 (軌道計算:村岡健治氏) (角度に関する要素は2000.0年分点) 近日点通過時刻(T) 2007年8月10.89078日 TT 近日点距離(q) 1.0152454AU 離心率(e) 1.0002754 近日点引数(ω) 174.11556度 昇交点黄経(Ω) 66.02740度 軌道傾斜角(i) 134.79313度 元期(Epoch) 2007年8月8.0日 TT 近日点通過(T) 2006年8月24.2日 |