国立天文台ニュースより
3月中旬の夕方、西の空では、火星とおうし座の1等星アルデバランが並んで見えています。3月19日から20日にかけて、月が火星とアルデバランに接近します。
火星は、太陽の周りを回る惑星の一つで、太陽光を反射して輝いています。表面に多く存在する酸化鉄成分によって、赤っぽい色で観察されます。一方アルデバランはおうし座を形作る星の一つで、太陽と同様、自ら光を放って輝く恒星です。赤色巨星という種類に分類され、表面温度が低いためにオレンジ色に見えます。3月は、異なる種類の2つの赤っぽい色の星が並んで見えているのです。明るさはともに約1等です。
月がこの2星に接近する3月19日、20日頃は、印象的な光景となりそうです。同じような赤っぽい色に見える2星が、実は異なる種類の星であることも思い浮かべながら、観察してみてはいかがでしょうか。
2021年03月26日